脳のなかの万華鏡 「共感覚」のめくるめく世界【おすすめ書籍】
- 作者: リチャード・E・サイトウィック,デイヴィッド・M・イーグルマン,山下篤子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/08/24
- メディア: 単行本
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わたしは文字に色がついているように感じたり、音楽に光の動きを感じたりする「共感覚」(synesthesia)を持っています。
自分が共感覚を持っていると知って、ある一冊の本を読みました。
リチャード・E・サイトウィック&デイヴィッド・M・イーグルマン著「脳のなかの万華鏡 「共感覚」のめくるめく世界」です。
この書籍のおすすめポイントをご紹介します。
概要
様々な種類の共感覚、共感覚の特徴などが、心理学・脳科学・神経科学の立場から書かれています。
共感覚に関する研究内容も多数掲載されています。
また、共感覚が起こっているときに、どのように脳が動いているのかについても、可能な限り説明がされています。
カラー図版も豊富で、共感覚の感じ方の具体例や、共感覚者の脳のfMRI図なども見ることができます。
おすすめポイント
様々な共感覚が紹介されている
共感覚は個人差が大きく、多種多様であると言われています。
「脳のなかの万華鏡」では、割合と多く見られる共感覚だけでなく、めずらしいと言われている共感覚も含めて、様々な共感覚や感じ方についての記載があります。
個人個人の共感覚の感じ方についても、図表とともに具体的に紹介されています。
科学的に共感覚を捉えている
共感覚は目に見えるものではないので、かつては個人の主観でしか説明できなかったようです。
科学が発達した今では、共感覚が起こっているときの脳の動きまでもを視覚化することができるようになりました。
「脳のなかの万華鏡」では、多くの科学的な研究内容が掲載されているため、共感覚を客観的に捉えることができ、また、共感覚が持つ傾向も知ることができます。
新しい学説が掲載されている
10数年前までは、共感覚を持つ人は10万人にひとりくらいだと言われていたそうです。けれども、現在では、そこまで少なくはなく、数パーセントほどいると言われています。
このように、研究が進んでいる分野なので、新しい研究によって、以前の研究結果が覆されることもあるようです。
「脳のなかの万華鏡」では、比較的新しい共感覚の情報を知ることができるので、おすすめです。